認知症と区別がつきにくい病気があります。
パーキンソン病もそのひとつです。
認知症の母との日々をつづり大きな共感をよんだ 『ペコロスの母の玉手箱』の続編。
母を亡くし、より色濃くよみがえる母の姿。
少年期の思い出では、昭和の生活が新たな郷愁をさそう。
「週刊朝日」の連載に書き下ろしを加えた待望の新刊。
( 以下、medical note 参照 )
◯ パーキンソン病とは?
日常的運動を行うのに必要な脳の一部に異常が生じることで発症します。
症状としては
思うように歩き出せない、
小刻み歩行になる
などがみられるようになります。
日本ではおよそ1000人に1人がこの病気にかかると考えられています。
60歳以上ではおよそ100人に1人
と多くなります。
◯ 発症の原因
大脳の下、
中脳の黒質にある神経細胞が減少することで起こります。
影響を受ける神経細胞は
ドパミンと呼ばれる神経伝達物質を産生するのに重要な細胞です。
ドパミンは身体の運動を円滑にする物質で、チロシンを材料として、いくつかの酵素反応を経て神経細胞の中で産生されています。
この過程において必要な酵素として、チロシン水酸化酵素、グアノシン三リン酸シクロヒドレース、芳香族アミノ酸脱炭酸酵素と呼ばれる酵素が必要です。
神経細胞が減少することでこうした
酵素が減少し、ドパミンが産生されなくなるためにパーキンソン病が発症します。
なお、パーキンソン病では、ドパミンを産生する神経細胞の中に
レビー小体(Lewy Bodies)と呼ばれる細胞内封入体が蓄積し、病気の発症に関係していると考えられています。
◯ 症状
大きく分けて
運動に関連した症状と、
運動に関連しない症状
に分けられます。
◯ 運動に関連した症状
静止時振戦
筋肉に力を入れていないときに起こる1秒に4〜7回程の大きな震えです。筋肉に力を入れるとこの震えは消えますが、しばらくその姿勢を保持していると再度現れることもあります。
筋強剛(筋固縮)
身体を受動的に動かしたとき、筋肉の力がうまく抜けておらず、抵抗感を感じるようになります。
動作緩慢
動作が遅くなり、動きの振幅が小さくなります。
姿勢反射障害
バランスが悪くなりひどい場合は転倒してしまうこともあります。
( ̄▽ ̄)
なんか難しいですねー?
簡単に言うと、
何もないのに手が震える。
筋肉が硬直する。
動きがゆっくり。
ふらふらして転ぶ。
てところですかね?
◯ 運動に関連しない症状
たとえば、
嗅覚障害や自律神経症状としての便秘、低血圧、発汗障害などがみられます。
そのほか精神面への影響がみられることもあり、
うつや認知機能低下、
幻覚、妄想
などが出現することもあります。
◯ 治療
パーキンソン病は、神経細胞の減少に伴いドパミンが少なくなる病気であり、そのほかの神経伝達物質との相互調整がうまくいかなくなります。
こうした不釣り合いを調整する
ドパミンそのものを補充する薬物療法(L-ドパ)を代表としたさまざまな治療薬が使用されます。
経過中には薬に対しての効果が減弱したり、副作用もあります。経過にあわせて、各種薬剤を変更しながら症状緩和を図ります。
また、近年ではiPS細胞を用いた治療方法や遺伝子治療も治療方法の一つとして期待されています。実用化に向けての調整はすでに開始しており、パーキンソン病の治療成績向上に向けての強い期待が寄せられています。
さてさて、
じゃあ認知症との違いって何?
( ̄▽ ̄)
① 画像検査
脳のMRI検査(磁気共鳴画像)や頭部CT検査(コンピューター断層撮影)を行いますが、パーキンソン病の患者さんの
MRI画像には異常が見つかりません。
これは脳の黒質があまりに小さく、その編成が画像に反映されないからです。
② ふるえ
パーキンソン病は初期は片方だけに症状が現れますが、本態性振戦は片方に症状が現れ、早期に両側に広がります。
またパーキンソン病は手と足の両方に支障が生じますが、本態性振戦の多くは手にのみ症状が見られます。
パーキンソン病にとても良く似ていますが、
幻視などが激しい場合は
レビー小体型認知症が有力です。
なるほど!
なるほど!
でも、
将来的に認知症に移行する可能性もあります。
( ̄◇ ̄;)ゲッ!