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臨床検査と心理学とバイクとクルマのブログです

長崎大水害。

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

 

この季節で、

「記憶に残っている、あの日」

といえば、

 

1982年7月23日。

「長崎大水害」

 

ブログで何度も

お話ししたような気もするが、

改めて記憶を辿ってみる。

 

先日も、

静岡県熱海市で土砂災害があった。

毎年、この時期になると

必ず水に関わる災害があり、

その度に

ここ長崎では

7.23「長崎大水害」を

思い出させる。

 

 

 

1982年。

 

歳は18歳。

 

あの頃、

ワタシは大学生で

熊本大学に入学したばかりだった。

「大学行ったらクルマの免許」

ってのが

当時、当たり前になっていて

免許を取るため長崎に帰省していた。

 

高校時代の友達も帰省していて

そいつは先にクルマの免許を持っていたので、

一緒によくドライブしていた。

 

あの日の昼頃、

友達が街のメガネ屋で

サングラスを注文していて

それを一緒に取りに行った。

 

ちなみに

友達と言うのは「男」で

ワタシもソイツもソッチ関係ではない。

あしからず。

 

天気は

曇りだったと思う。

 

昼飯食べて

メガネ屋寄って、

帰るとき、

雨が降って来た。

 

けっこう強いな?

 

メガネ屋のあった

当時の繁華街、

「浜の町」

からクルマで帰るとき、

「長崎駅」を通る。

 

少し、

道路が水浸しになってきた。

 

モーターボート感覚で

水しぶきをあげてクルマは走る!

 

面白がっていた。

 

そのときは。

 

f:id:honeyhornet:20210716213216p:image

 

「長崎駅」を過ぎて、

「茂里町」のバスターミナルの近くで

友人が、

「あー、ダメかも?」

「え?」

運転席のペダルが

水に浸っている。

気がつくと、

ワタシの靴もずぶ濡れだった。

 

程なく、

エンジンが止まった。

 

近くに

少し小高い場所に、

長崎バスターミナルがある。

 

クルマを降りて、

ほぼ浮いているクルマを

ふたりで押した。

 

日産のローレルだったと思う。

普通車の中でも重い方ではないだろうか。

 

重いはずのクルマが、

水に浮かんで軽かった。

 

ただ、

長崎バスターミナルの小高いところへは

さすがに無理で、

近くにいた人たちが手助けしてくれた。

 

 

クルマを上げると

バスターミナルの中にあるバスが

何台か電気がついていた。

中には

ワタシらのように避難した人たちが

たくさんいた。

 

バスの中で

水が引くのを待っていた。

 

待っていた。

 

待っていた。

 

待っていたが一向に引く気配がない。

 

あの頃は、

携帯電話など無かった時代。

 

たまたま、

ワタシも友人も

「アマチュア無線」をやっていて、

無線機を持って、

無線仲間に連絡を取ってもらった。

 

たが、

この状況、

「電話回線」がパンク状態。

連絡がつかないらしい。

 

 

 

道路側を見てると、

チンチン電車が止まっている。

水は、、、、、

窓のところまで浸っていた。

 

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「帰る!」

 

って言って、

バスから降りて行った人がいた。

 

 

先にも述べたが、

バスターミナルは少し小高いところにあり、

バスは更に車高が高い。

 

電車は窓まで浸かっている。

 

 

その人は

胸まで浸かりながら、

歩いて行った。

 

 

 

友達と

「あの人、死ぬんじゃ?」

 

名前も知らないあの人、

無事に帰ることが出来たのだろうか?

 

 

 

朝5時頃、

日が登り周りが明るくなって来た頃、

水はかなり引いていた。

その時間まで、

何をしていたのか

今となっては覚えていない。

 

友達のローレルは

とりあえずはそのまま放置して、

帰路に着いた。

 

交通手段はない。

 

ひたすら歩く。

 

歩く。

歩く。

 

 

自宅に着いた。

 

 

ヘトヘトだった。

 

 

母には

例の無線仲間から連絡があったらしい。

 

自宅は山の上なので、

大きな被害はなかった。

 

 

とりあえず、

風呂に入って、

寝た。

 

 

 

家に帰ったのは

水害の翌日。

 

翌々日に

「自動車学校」に教習予定

を入れていたことを思い出した。

 

 

 

この状況で?

 

 

まさか、

やってないだろう?

 

そう思って電話した。

 

 

「やってますよー!」

 

 

( ̄▽ ̄)

 

 

凄い!!

 

 

 

 

丸一日寝て、

元気なので、

自動車学校に行った。

 

 

山から降りてくるに従って、

昨日の惨状を目の当たりにした。

 

 

クルマが

水に流されて

家に立てかけてあった。

 

( ̄▽ ̄)

 

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クルマが積み重ねられて

駐車場が

立体的になっていた。

 

 

川の近くの家は

家の中の家具を外に出していた。

泥まみれの冷蔵庫。

泥まみれのふとん。

泥まみれのテレビ。

 

 

自動車学校がやれていたのは

ここも山の上だからだった。

 

 

が、

 

やたらと障害物が多い。

 

ほぼ、

まっすぐ走ることなく、

倒れた木々を避けるため、

右左にウインカーを鳴らしていた。

 

 

 

その後、

ワタシが夏休みで帰省している間に

水害の被害者は

日に日に増えていき、

最終的に

死者は行方不明者を含めて

299人。

 

建物全壊

584棟。

 

床上浸水

1万7909棟。

 

さすがに

死者・行方不明者には知り合いはいなかったが、

建物全壊の中に

高校の部活の先輩がいた。

 

建物全壊どころか、

土地も流されたとのこと。

 

 

部活の同級生から連絡があり

みんなでお見舞金を集めた。

 

 

今となっては、

この梅雨から台風が来る時期になると、

必ずこの話が出る。

 

もう

40年以上経っているのに、

色褪せることなく、

ワタシの記憶に

鮮明に残っている。

 

 

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