最近、
高齢者ドライバーの事故が多発しているように思います。
ウチの子供たちも
「 運転免許取り上げないとダメだ! 」とか、
「 法律変えないとダメだ!」とか、
結構、好き勝手なこと言ってます。
テレビのニュースや
街頭インタビューでも、
高齢者ドライバーの免許証返納について、
取り沙汰されてます。
でも、
諸事情で
なかなか返納率はあがりませんよね?
しかしホントに
高齢者ドライバーだけが、
危ない運転をしているのでしょうか?
以下、チューリッヒ保険会社サイトより引用
◉ 高齢者が関与した交通事故発生状況
(平成28年中)
出典:警視庁ウェブサイト「高齢運転者が関与した交通事故発生状況(平成28年中)」より加工
このグラフは、高齢ドライバーの事故について書かれた記事によく使われているもので、明らかな右肩上がりぶりを見たら
「高齢ドライバーの事故は増えているんだな」とか、
「やっぱりお年寄りの運転は危ないよね」
と思う人が多いでしょう。
加えて、繰り返し報道される高齢ドライバーが起こした悲惨な事故のニュースを観たり聞いたり読んだりしていると、
高齢者がクルマを運転することに否定的になってしまっても仕方ありません
しかし、高齢ドライバーの事故は本当に増えているのでしょうか?
たとえば高齢者の事故増加という「事実」についてですが、それは高齢者の運転が危ないからではなく、
日本の高齢化に伴い
高齢ドライバーが増えた
結果なのではないか?
と疑ってみることも必要でしょう。
◉ 自動車又は原動機付自転車運転者
(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり死亡事故件数の推移
出典:警視庁ウェブサイト「高齢運転者が関与した交通事故発生状況(平成28年中)」より加工
ここからわかるのは、
高齢ドライバーがすべて危ないというのは間違いだ
ということです。
もちろん個人差はありますが、データから推測すれば
75歳(後期高齢者)を超えると要注意、
80歳を超えると危険(それでも10代より事故率は低い)
と判断していいでしょう。
以下、警視庁サイトより
75歳以上の免許証の更新には、
認知機能検査と高齢者講習を受講しないと運転免許証の更新はできません。
と、なってます。
日本臨床検査技師会の認定資格に
「 認知症領域検査技師 」
ってのがあります。
以下、日本臨床検査技師会の資料より引用
◉ 運転免許と認知症領域検査技師の期待
2014 年 6 月 11 日の衆議院本会議において高齢ド ライバーの事故を防ぐために,道路交通法の改正が なされた。
その中では 75 歳以上の高齢者が運転免許 を取得する際「認知症の疑いがある」と判定された 場合,医師の診断を義務化するというものである。
そこで医師から認知症と診断された者は,免許取り 消しまたは停止となる。
また,警視庁によると高齢 者の死亡事故の 4 割に記憶力低下など認知機能に衰 えが疑われた。
高速道路の逆走をはじめ高齢者が引 き起こす人身事故の多くで,認知症の関与が示唆さ れている。
現在の運転免許試験場では,高齢者が運 転免許を取得する際に無資格者が簡便な認知症テス トを実施しているのが現状である。
これでは正確な 認知症診断には繋がらず,結果として大惨事を引き 起こす可能性を危惧している。
これを打開するには 運転免許試験場などにも有資格者である認定認知症 領域検査技師が常駐し,認知症簡易検査[物忘れ相 談プログラム,タッチパネル型認知症評価尺度(Touch Panel-type Dementia Assessment Scale; TDAS)等]を 実施するなど,法整備についても日臨技として指摘 していきたいと思っている。
認知症検査ってのは、
結構、学習効果があるため
実際の試験前にやっていると
スルーしてしまうことがあります。
「 認知症と判定されたくない!」
お気持ちはわかります。
ただ、
「 認知症なのにそうではない 」
という判定がされた場合、
「 ガンなのにガンではない 」
という判定がされた場合と
ほぼ、同じ意味だと理解する必要があります。
別の記事でも書いてますが、
すべての病気は
「 早期発見、早期治療!」
が大前提ですから。