レビー小体型認知症①
1976年 小阪憲司※博士がびまん性レビー小体病の概念を提唱。
※1976年にレビー小体型認知症の症例を世界で初めて報告し、1978年にさらに3例を発表した。その後もレビー小体型認知症の診断、治療の発展に貢献した。その功績が評価され、2013年度朝日賞を受賞した。
1996年 臨床診断基準が作成。
レビー小体型認知症は、アルツハイマー型、血管性に次いで多い認知症です。
神経病理診断では15〜20%、
全国調査では4.3%。
?????。
結局、臨床診断されないもの
が存在します。
症状
⑴ 認知障害
初期には
記憶障害が目立ちません。
注意、実行機能※障害が見られます。
ボーっとしている。
うっかりミスが多い。
なんか、周りにそういう人いますよねー?
( ̄▽ ̄)
段取りが悪い。
※実行機能(遂行機能)
= 計画を立てて目的に沿って行動する機能。
そうそう、あの人なんかそうかもー?
( ̄▽ ̄)
こういう人って、
「 ちょっとドジな人 」扱い
で、認知症の代表的症状の
「 記憶 」に問題がないため、
「 認知症 」とは
気づかれないことが多いです。
◯視空間認知障害
視覚情報を正しく認識できない。
アルツハイマー型でも起こるが、レビー小体型が早期に見られる。
顔がわからない。
物がわからない。
位置がわからない。
距離がわからないなど。
日によって変動もします。
ボーっとしてたり、普通だったり、
夜、トイレの場所がわからない。
トイレでどうすれば良いかわからない。
家族がわからない。
自宅がわからないなど。
⑵BPSD
● 幻視が特徴的。
レビー小体型認知症の7割は幻視があるが、
早期には3割程度。
トイレに人がたくさんいた。
お風呂がいっぱいで入れない。
旦那さんの布団に知らない人がいた。
でっかい蜘蛛がいる。
ちっちゃいおじさんがいる!?
(´⊙ω⊙`)
( ハンガーにかかった服を見て)
知らない人がいた。
( 道路標識を見て)人の顔に見える。
などの「 錯視 」
人の姿は見えないけど、誰かいる。
などの「 実体的意識性 」
いない人の声が聞こえる。「 幻聴 」
おなかに穴が空いた。身体に電気がビリビリする。
「 体感幻覚 」
● 被害妄想も特徴的です。
アルツハイマー型では「 もの取られ妄想 」が見られますが、
家に知らない人がいる。
ものを取っていく。
部屋を荒らす、などなど。
幻の同居人もあります。
2階に誰かが住み着いている。
隣の部屋にいる人が、自分がいなくなると出てくる。など。
人物誤認もあります。
家族に対して、
「 あなたは誰?」
「 なんでウチにいるの?」など。
テレビ現象もあります。
テレビの動物が、家にいる。
テレビの人がウチを覗いている。など。
重複記憶錯誤もあります。
同じウチが別のところにもうひとつある?
( ̄▽ ̄)
そういう世界感のアニメが最近ありました。
『あした世界が終わるとしても』
櫻木優平監督による長編アニメーション映画。
2019年1月25日公開。
● 睡眠障害もあります。
◯レム睡眠行動異常症:
睡眠中、大声で寝言言ったり叫んだり、手足を動かしたりします。
発症する数年前から、先行して見られることがあります。
したがって、この行動異常を確認することは非常に重要です。
不眠、徘徊、家探し、日中の過度の眠気が高頻度です。
( ̄▽ ̄)
ウチの嫁さん、夢を見てるんだろうけど、
この状況あります。
たまに「 カカト落とし 」を食らいます。
大丈夫カナー?
● うつもあります。
レビー小体型認知症の半数にうつが見られます。
認知症症状の前駆期から見られます。
不安、焦燥、身体愁訴※が目立ちます。
※(身体)不定愁訴(ふていしゅうそ)は、患者からの「頭が重い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などの、「なんとなく体調が悪い」という強く主観的な多岐にわたる自覚症状の訴えがあるものの、検査をしても客観的所見に乏しく、原因となる病気が見つからない状態を指す。